新型コロナウィルスの緊急事態宣言が全面解除となり、一つの節目を迎えた感のあるこの頃。
しかし、世界に目を向けてみると米中の対立が激しさを増していて、新型コロナに関する緊張感は依然として衰えていません。
今回のお話は米中対立とは関係はありませんが、中国人の知られざる国民性について書きたいと思います。ちょっと長文ですが、お付き合いください。
『受けた恩は必ず返します!』
ちょっと前の話になりますが、今年の3月のこと。ネットのニュースでこんな記事を見つけました↓。
友好都市に送ったマスク「返して」…市長の訴えに中国側が“10倍返し”の5万枚「受けた恩返す」
https://www.tokai-tv.com/newsone/corner/20200325-masukubaigaeshi.html
2020年3月25日の記事ですが、愛知県豊川市と中国の無錫市新呉区という都市が以前から友好都市関係を結んでいて、
今年の2月4日に、豊川市から無錫市へマスク4500枚と防護服を支援物資として送っていたそうです。しかし、日本でも新型コロナの感染拡大となり、送ったマスクがまだあるなら返してほしいと無錫市側に訴えていたそうです。
すると、無錫市側が即反応。
「豊川市のマスクが不足していることを知り、5万枚のマスクを調達し、昨日発送しました」
「24日夕方に東海テレビのニュースをインターネットで見て、本当に困っているんだという状況を知りました。記事は中国でも拡散されていて、みんな『助けたい』『応援したい』という反応でした」
日本から受けた支援を、今度は中国から10倍返しで『恩返し』してくれたというのです。
そう言えば、四川大地震のことを思い出します。
中国人は、受けた恩は必ず返さなければならないと、小さなころから教育されているのでしょうか。
2008年、中国で発生した四川大地震。日本からレスキュー隊が国際支援に向かいました。
犠牲者の遺体を運び、安置所にて黙とうしている日本のレスキュー隊の写真を覚えている方も多いのではないでしょうか。中国では、あの写真が大きな反響を呼んだそうです。
「あの時、日本人が助けてくれた。今度は俺たちの番だ!」
国境を越え、日中間の難しい国際問題も越え、中国からレスキュー隊が支援に来てくれたことが記憶に残っています。あの時は、本当にありがとう。
政治や経済、国際問題等、日中関係は難しい関係が続きますが、人命の関わることに国境はないと思うし、国家や政府といったレベルではなく、お互いの国民同士の間に、分け隔てる壁は何もないと思います。
僕も、中国人から恩返し?をされたことがあります!
そういえば、僕も中国人から恩返しじゃないけど、盛大にお礼をされたことがあります。
僕がまだ大学1年生だった頃の話。
僕の友達が中国人の留学生と知り合いで、今度その留学生が引越しをするので、軽トラを運転して荷物を運んでほしいと頼まれました。そのころ、車の免許を持っている人が僕しかいませんでした。
免許取りたてで運転に自信もなく、しかも軽トラがやっと通れるくらいの狭い道もあり、冷や汗をかきながら運転した記憶があります。
荷物の積み下ろしを手伝おうとすると、
「荷物は僕たちが積み下ろしするので、ゆっくり待っててください。」
と留学生が言うので、僕はひたすら4往復運転だけしました。
そして、引っ越しが終わってから、
「今日はありがとうございました。お礼にご飯をご馳走します」
と、本場の中華料理店へ連れて行ってもらい、食べきれないほどの中華料理をごちそうになりました。
今考えると、あれが恩返しだったのかなぁ。ごちそうさまでした。
日中、米中問題やコロナウィルスで渦中の中国ですが、今回冒頭で紹介した恩を10倍返しのニュースで、中国人は恩に生きる実直な国民性であることに気付けた話題でした。