九州新幹線長崎ルートの建設問題は、時間を重ねるにつれて複雑になっている気がします。
この問題に、出口は見つかるのでしょうか?
こじれる長崎新幹線、実は佐賀県の“言い分”が正しい,ITmedia
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1905/17/news035.html
↑ こちらのITmediaさんの記事を読むと、これまでの経緯が分かると思います。
フル規格を反対する佐賀県の主張は、当然のことだと思います。
以前、フル規格にメリットありとの記事を書きましたが、
色々と長崎ルート問題の情報を収集していくうちに、佐賀県側が強固に反対している理由に思わず納得しました。
では、長崎ルートの問題を解決するにはどうしたらいいか?
佐賀県がフル規格に折れるしかないのか?このまま対面乗り換えで決着すべきなのか?
色々と考えて、僕の考えた答えは以下の通りです。
●フリーゲージトレインを実用化するしか方法はないのでは?
こうなったら、 フリーゲージトレインを実用化するしか方法はないと思います。
当初、フリーゲージトレインの導入を前提として佐賀県は新幹線建設を容認していたのだと思います。
ところが、突然フリーゲージトレイン開発失敗、フル規格しか方法はないので費用負担よろしく!
って話を誰が受け入れます?話が違う、騙された!?って思ってしまいます。
九州新幹線鹿児島ルート建設時のように、路線の末端(新八代~鹿児島中央間)を先に開通させれば、途中の未着工部の建設はスムーズに(半ば強制的に)話を進めることが出来るはずだ!という過去の成功事例を引き合いに出して、甘く見ていたのでは?
かつて九州新幹線が部分開業し、在来線特急が新幹線ホームへ乗り入れていた頃にあった新在アプローチ線の遺構です。
鹿児島ルートが全通した後は、この路線を使ってフリーゲージトレインは走行実験を重ねていました。
新鳥栖駅周辺には、将来の長崎ルートとの分岐点となる前提で、用地が広く確保してあるように見えます。
長崎方面から在来線を走ってきたフリーゲージトレインは、ここから新幹線の線路へ軌間を広げて乗り入れ、直通運転をする予定でした。
新鳥栖駅のホームは、2面4線と広くなっています。
新鳥栖駅のホームに、鹿児島方面へのフル規格新幹線列車と、長崎方面へのフリーゲージ新幹線列車がホームに並んでいる風景は、果たして見られるのでしょうか?
ウィキペディアによると、3次試験車は、最高速度は新幹線区間が270km/h、在来線区間が130km/hで走行できる性能を持っていたようです。走行性能は、営業運転に十分なレベルだと思います。
なのに、実用化一歩前での導入断念の表明は、何か釈然としない感じもします。
本当に開発失敗を認めなければいけないほど難しい問題だったのでしょうか?
●フリーゲージトレインの実用化で、誰もが幸せになれる
素人的な考えかもしれませんが、今は実用化に懸念のある技術的な問題であっても、開発を進めるにあたってその懸念を払拭して実用化に成功することもあるのではないでしょうか。
かつて無理だと言われた技術が実用化された例も多いと思います。時間と技術の進歩で解決できるかもしれません。
どうしても困難な問題を解決できないのであれば、既にフリーゲージトレインを実用化しているスペインの車両メーカーに技術支援を得ることで解決できることもあると思います。
フリーゲージトレインの実用化に成功すれば、佐賀県、長崎県、JR九州、そして利用客、みんなにメリットをもたらすと思うし、デメリットで負担を被る立場の人はだれ一人いないはずです。
2022年の暫定開業には間に合わなくても、2025年、2030年、2040年…時間はかかってもいいので、
フリーゲージトレインを意地でも実用化するしか長崎ルートの未来はあり得ないのではないでしょうか?