https://www.shoei.com/products/helmet/jet/j-force_iv/
現愛用のヘルメット、アライのSZ−RAM4を購入してから既に6年も経過しています。
今回は、ショウエイのJ−FORCE4を購入しました。
SZ-Ram4と比較しながらレビューしたいと思います。
SZ-Ram4から買い替え検討の方は多いと思うので、参考にされてください。
⭐各項目へのショートカットです↓
6年前にSZ-RAM4を購入した時のレビューは↑こちら。
外観チェック
ジェット型の中でも非常に軽い
これまでホワイト一色のヘルメットでしたが、今回はグラフィックモデルにしました。
マットブラックにホワイトのラインがカッコいい!
普段、黒地に白い縦ラインが入ったジャケットを着ているので、デザイン的な相性はとても良いです。
SZ-Ram4は、二輪用品店で現在も新品で販売されているロングセラーモデル。
SZ-Ram4が1.4kgに対して、J-FORCE4は1.3kg。
わずか100グラムの差しかありませんが、体感的には相当軽く感じます。
購入は、ライコランドの実店舗にて。
スタッフの方に頭のサイズを測ってもらい、チークパッドを調整しながら、フィッティングしていただきました。おかげで、頭を左右に振っても全くズレません。
SZ-Ram4と比べてみて、内装がとてもソフトで柔らかいです。ヘルメットの着脱がとてもスムーズに出来るようになって、メガネがとてもかけやすくなりました。 これは快適!
専門スタッフの方に相談しながらヘルメットを選ぶことをおすすめします。
エアロ形状に特化した外観
横から見ると、光の当たり加減でグリーンに見えるグラデーションが。
J-force4がエアロ形状になっているのがよく分かります。
後方にスポイラーとエアアウトレット装備のSZ-Ram4と、気流を受け流す形状のJ-FORCE4。SZ-Ram4は、後頭部に反射テープを貼っていて、白バイヘルメット風にしてあります(笑)。
ヘルメット頭頂部にエアアウトレットが2ヶ所あります。
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インプレッション: 実際に走行してみての感想
ベンチレーション効果は体感できる
おでこ部分にある開閉可能なフロントエアインテーク。
このフロントエアインテークの効果は、走り出してすぐに感じることが出来ます。走行風がおでこに直接当たって入ってくるのが感じられ、おでこ部分の内装が少しずつ乾いていくことが分かります。
しばらく走っていると、内装はすぐに乾いてしまいます。
開閉可能なアッパーインテーク。
このアッパーインテークを開けている状態では、サーサーと微かに風切り音が聞こえてきます。
PINLOCKシールドで、全然曇らない!
シールドの曇り止めのPINLOCKシールドを装着することが出来ます。
効果は絶大で、全く曇ることがありません。信号待ちで曇らないようにシールドを上げることもありませんでした。
ただし、このPINLOCKシールド、夜間の走行時に対向車のヘッドライト等がにじんで(二重に)見える傾向があります。さらに、ヘッドライト周辺の薄暗いところは見えにくくなるのは注意が必要です。
静粛性は非常に高い
走っていると、とにかく静かに感じるヘルメットです。
エンジン音が小さく、マイルドに聞こえます。そして、風切り音が非常に少ないです。
ヘルメット内装の耳に当たる部分に、このようなスポンジが入っています。
このスポンジにより、エンジン音の周波数帯がかき消されているようです。
このスポンジは取り外すことが出来ます。外してみると、ヘルメットスピーカーをセットするためのくぼみがありました。
スポンジを取り外した状態で走行してみると、案の定エンジン音が今まで通り(SZ-Ram4使用時と同様に)聞こえてきました。
しかし、それでも風切り音は少なく、静かなままです。これは、あごの下まで伸びた長いシールドが、帽体と密着するように設計されているからだと思います。試しにシールドを少し浮かせると、風切り音が結構聞こえます。
ヘルメットスピーカーを取り付けて、その上にスポンジを貼り付けました。
静かさは多少損なわれましたが、スピーカーから聞こえる音声はとてもクリアに聞こえます。スピーカー装着を前提に設計されているのがよくわかります。
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SHOEIヘルメットの安全性はどうなのか???
ヘルメット選びで、皆さん最初に悩むことは、メーカー選びではないでしょうか?
アライかSHOEIか、それ以外か?カタログやネットのレビューを参考にされると思います。
アライヘルメットの紹介を見る限り、必ず出てくるのが『SNELL規格』と、更に厳しい独自の『アライ規格』。
世界で一番厳しい規格をクリアした製品だということをアピールしています。逆に言えば、アライ以外のヘルメットは全部危険ですよ???って感じにも受け取れます。
僕が今までアライを使ってきたのが、安全性の高さからくる安心感です。アライ以外を使うのは危険なのではないか?プロライダーが使用しているヘルメットは圧倒的にアライが多いので、アライを選ぶべきだ!という理由からでした。
一方で、SHOEIヘルメットにおいては、ヘルメットの安全性についてのアピールは必要最小限のような感じです。危険なヘルメットなのでしょうか?
ヘルメット内に、JIS規格に適合しているシールが貼ってあります。JIS規格T8133の2種という規格は、果たしてどんな規格なのか?と思って調べてみると、
世界一厳しいSNELL規格に対し、JIS規格も微々たる差はありますが、ほぼ遜色ない厳しい規格であるということが分かりました。
アライにこだわる必要性もないと思い、今回はSHOEIを選びました。
SHOEIは、安全に対する考え方として、PassiveSafetyに加え、ActiveSafetyという考え方があるそうです。
PassiveSafetyとは、事故った時のヘルメットの安全性、衝撃保護性といった考え方。
ActiveSafetyとは、事故らないための設計、と言っていいと思います。
静粛性の高さ、ベンチレーションによる頭頂部の熱気の排出によるコンディションの維持、エアロ形状や徹底的な軽量化など、安全性には全く関係ない感じがしますが、
運転に集中できる環境を提供して、疲労による判断力低下を起こりにくくし、危険感知と回避が一瞬でも早く行えるようにすることがActiveSafetyという考え方なのだと思います。
これは、四輪車の世界において、欧州車の安全に対する考え方に似たものだと思います。
欧州車、特にドイツ車を運転したことがある方はお分かりだと思いますが、
非常に俊敏なハンドリング、非常に強力なブレーキ(その分ブレーキダストは多いです)、細いAピラー等による視界の広さ等も、事故を起こす前に確実に危険を察知し、確実にハンドルを切って回避することが出来て、確実に止まれることが求められているためです。欧州で販売される四輪車は、ABSと合わせてVSC(横滑り防止装置)が義務化されていることからも分かります。
SHOEIのヘルメットは、快適性を追求したヘルメットというイメージですが、
快適性が、その先にある危険回避に繋がり、安全に繋がるといったことを念頭に設計されたヘルメットなのだということが分かります。
安全に対する考え方がアライとSHOEIで違うのは興味深いですが、いずれもアクシデント時の安全性を追求した最上位のヘルメットであることは間違いないし、多少値段は高くても、この両者を選ぶことが正しい選択であると思いました。