調査日:2015年2月10日火曜日
東九州道豊前IC〜宇佐IC間が2015年3月1日に開通する。
ニュースでも採り上げられているようだが、椎田南IC〜豊前ICの一区間だけは平成28年度開通予定となっている。
NEXCO西日本のHPによれば、用地買収に時間を要しているとのこと。
現地の工事の進捗と、用地買収困難となっているところを確認してきた。
椎田南IC以南はまだ工事の最中。
工事中の先に突如壁のように現れる丘がある。おそらくここが用地買収困難地区だと思われる。
きれいな山肌の様子を見る限り、人の手で整備された牧場?農場?のように見える。地主の方が土地の買収に反対していると思われる。
ズームしてみる。まさに壁となって道路工事を封鎖しているかのようだ。
あの山肌の向こうには、椎田南ICから伸びてきた高速道の路盤がある。時間とコストは掛かるかもしれないが、丘の手前からトンネルを貫通させるという案もあったと思うのだが。
撮影場所の後ろ側は、既に路盤が出来ていた。
もう一ヶ所用地買収されていない場所があった。
路盤の先に立ちふさがる小高い丘がそれだ。よく見ると、丘の上に墓石がいくつか残っている。おそらく立ち退きに反対されている方のものと思われる。
丘の麓に、移動された墓地があった。その墓地を訪れたが、墓地の管理棟に『感謝』と書かれた碑が置かれていた。高速道建設に理解と協力していただいていることに対しての『感謝』という意味だろう。
丘の反対側より。やはり壁のように立ちふさがっている様子がよく分かる。
調査の後、インターネット上で知ったのだが、農場のように見えたあの場所はみかん農園だそうだ。
東九州道の建設計画が発表され、この農場がルートに当たると知った地主氏はどんな気持ちだっただろう。
長年この地でみかん栽培という『商売』をしてきたのだから、地主の方もそう簡単には土地を手放すことは考えにくい。僕は、地主の方の気持ちもよく分かる。
結局最終的にはお金で解決だとか、早く受け渡せなど、暴言じみた事をこの農園の地主氏に浴びせる方もいることは残念な話である。
2年前から東九州道の工事の様子を取材してきて思うことだが、多くの方の理解と協力の上に成り立っているということを改めて感じた。
以前、九州新幹線工事の様子を取材していた頃も、同じことを感じていた。
我々がこうした公共事業の利益に預かれるのは、こういった方々の理解と協力の上で成り立っているということを忘れてはならないと思う。